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色の表現のCMYKとは?RGBとの違いや、ディスプレイと印刷で発色が変わる理由を解説

色の表現のCMYKとは?RGBとの違いや、ディスプレイと印刷で発色が変わる理由を解説

05.052023
CATEGORYグラフィック


PCで作ったデザインデータを印刷してみたら、思っていた色と違った経験はありませんか?その原因は、CMYKとRGBの違いを理解していないことにあります。
CMYKとRGBはどちらも色の表現方法ですが、その詳細が異なっているため、デザイン制作をする場合は両者の違いをしっかり理解しておかなければなりません。
この記事では、CMYKとRGBの特徴や、それぞれの違い、印刷時の色変化を防ぐ方法などについて、詳しく解説していきます。
グラフィックデザインを制作する人には必見の内容なので、ぜひ最後までご覧ください。

CMYKとは?


CMYKとは、紙などの印刷物で使われる色の表現方法です。
CMYKのC、M、Yはそれぞれ色の三原色の頭文字を取ったもので、CはCyan(シアン)、MはMagenta(マゼンタ)、YはYellow(イエロー)を表しています。
世の中のカラー印刷物は、基本的にすべてCMYKで色を表現しています。各色のインク濃度を0%(薄色)~100%(濃色)で指定し、これら3色を混ぜ合わせることで様々な色を表現します。たとえば、シアンとイエローを半々に混ぜれば緑に、マゼンダとイエローを半々に混ぜれば赤になるといった具合です。

CMYKカラー=減法混色

先述の通り、CMYKでは3つの色を混ぜ合わせることで色を表現しますが、すべての色を混ぜたら何色になるでしょうか。
答えは「黒」です。このように、CMYKでは色を混ぜれば混ぜるほど暗い色合いになり、最終的には黒に近づいていく(色が減っていく)ため、別名「減法混色」と呼ばれることもあります。
学生時代に複数の絵具を混ぜてみて、何ともいえない暗い色になってしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。CMYKが最終的に黒になるのも、これと同じようなイメージです。

CMYKの「K」の意味

CMYKにはC、M、Yというインクの三原色に加えて「K」のアルファベットが含まれています。このKは “Key Plate” の頭文字を取ったもので、黒色を表しています。
先述の通り、CMYの3色を混ぜ合わせると理論上は黒が作れますが、実際には真っ黒でなく、濁ったような曖昧な黒になってしまいます。そのため、3色の混合だけでは表現しにくい、明確な黒色を表現するために追加されているのが「K」というわけです。CMYを混ぜたものにKを加えることで、メリハリの効いた真っ黒が表せます。
ちなみに、Key Plate とはもともと画像の輪郭や文字などを表現する印刷版という意味です。決して「黒(KURO)」の頭文字ではないのでご注意ください。

RGBとは?

RGBとは、PCなどのディスプレイ上で使われる色の表現方法です。
R、G、Bはそれぞれ光の三原色の頭文字を取ったもので、RはRed(レッド)、GはGreen(グリーン)、そしてBはBlue(ブルー)を表しています。
私たちの身の回りにあるPCやテレビ、スマートフォンなどで表示されている色は、基本的にすべてRGBで表現されています。
現在一般的に流通しているディスプレイは、R、G、Bの各色を256通りのパターンで表示が可能です。そのため、RGBでは理論上、16,777,216通り(256*256*256)の色を表現できます。
ただし、ディスプレイで見える実際の色は、そのディスプレイの性能や部屋の照明など、周囲の環境によって左右されるので注意が必要です。

RGBカラー=加法混色

RGBは簡単に言うと、RとGとBの3色の光を強めるか弱めるかで様々な色を表現しています。その際、3つの原色すべてを混ぜれば混ぜるほど白に近づいていくため、CMYKとは対照的に「加法混色」と呼ばれることもあります。
身近な例でいうと、早朝の薄明かりでは青く、夕焼け時には赤く見える太陽の光が、天頂にある昼時には真っ白い光に見えるのも、RGBと同じような理屈です。

CMYKとRGBは何が違う?

以上見てきたように、CMYKは主に紙の印刷物の色を、RGBはディスプレイ上の色を表すという点で違っています。また、CMYKはインクの色を、RGBは光の色を組み合わせて色を表現するため、それぞれに表せる色の領域も異なっています。
一般的には、RGBの方がCMYKより幅広い色合いを表せます。特に、明るい色や淡い色はRGBで表現する方が鮮やかに見えます。
そのため、PCなどで作成した画像データを印刷すると、RGBの色を無理やりCMYKで翻訳するようなイメージになるため、ディスプレイで見るのとは異なるくすんだ色合いになってしまうのです。

CMYKで表現できない色とは?

CMYKは各色を混ぜ合わせるほど黒に近づく、つまり色合いが暗くなっていくので、明るい色を表現するのが苦手です。
中でも、以下の色はCMYKだとRGBと同等に表現するのが難しくなってしまいます。

  • ゴールド
  • シルバー
  • オレンジ
  • ターコイズブルー
  • エメラルドグリーン
  • ホワイト(真っ白)

そのため、これらの色をどうしてもCMYKで表現したい、つまり紙に印刷したい場合は、別途「特色」を使用する必要があります。
特色とは、目的の色を表現するために特別に調合したインクのことです。通常CMYKでは各色を混ぜ合わせて色を表現しますが、特色はその色専用に調合されているので、理論上はどんな色でも表現することができます。
ただし、どんな色の特色が用意されているかは、各印刷会社によって異なります。どうしても印刷で表現したい色がある場合は、表現が可能かどうか、事前にしっかり確認しておくようにしましょう。

印刷時の色変化を防ぐ方法

PCなどのディスプレイで表示される色はRGBで、紙に印刷される色はCMYKなので、画像データをそのまま印刷すると少なからず色が変化してしまいます。
単なる色付きのワードやエクセルなどのファイルを印刷する分には問題ありませんが、広告などのクリエイティブを作成する際は、色合いが変わってしまうのは死活問題です。
そこで、ここでは印刷時の色変化を防ぐための方法を2種類ご紹介します。色合いを変えずに印刷したくて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

方法①:デザインソフトの初期設定をCMYKにしておく

印刷時の色変化は、デザインソフトの初期設定をRGBからCMYKに変更しておくことで防げます。
通常、PhotoshopやIllustratorなどの主要デザインソフトでは、ディスプレイ上での表示に最適化するためRGBが初期設定になっています。そのため、この設定をCMYKに変更したうえでデータ作成を行えば、印刷時の色変化を極力防ぐことができます。
とはいえ、初期設定をCMYKにしたとしても、やはりディスプレイ上で見る色と印刷時の色では印象に変化が生まれます。印刷時の色合いに強いこだわりがある場合は、本印刷を行う前に色校正をして確認しておくと安心です。

方法②:印刷前にデータをCMYKに変換する

一度RGBで作成を進めてしまったデータであっても、後からCMYKに変換することが可能です。この作業を行うことで、「印刷してみたら全然イメージと違った」という最悪の事態を防ぐことができます。
しかし、RGBで作ったデータをCMYKに変換する際、完全に色合いを維持することは不可能です。少なからず色のイメージはくすんでしまうので、より正確を期したい場合は、初期設定の時点でCMYKにしておくことをおすすめします。
なお、一度CMYKにデータを変換してしまうと、またRGBに戻しても色合いは戻りません。そのため、変換を行う際は念のため、事前にバックアップを取っておくとよいでしょう。

まとめ

今回は、デザイン制作をするうえで必須であるCMYKとRGBについて、それぞれの表す意味や違いなどを詳しく確認してきました。
CMYKは紙での印刷で使われる色の表現方法であり、一方のRGBはディスプレイ上の色を表現する方法です。それぞれに色を作り出す過程が違うため、表せる色の領域が異なっている点に注意が必要です。
弊社RenoBoxでは、WEBから紙媒体まで、様々な形式のクリエイティブ制作を承っております。自社でのクリエイティブ制作に限界を感じている方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

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