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オフセット印刷・オンデマンド印刷とは?違いやメリット、使い分けの目安を解説

オフセット印刷・オンデマンド印刷とは?違いやメリット、使い分けの目安を解説

09.012023
CATEGORY印刷


ひとくちに印刷といっても、「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」の2種類の印刷方式があります。それぞれに特徴や向き不向きが異なるので、自社のニーズやクリエイティブとの相性に応じて適切なものを選ぶことが大切です。
しかし、それぞれの違いがわからず、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、オフセット印刷とオンデマンド印刷について、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリット、使い分けの目安などについて詳しく解説していきます。
適切な印刷方式がわからず困っている方は、ぜひ参考にしてください。

オフセット印刷とは


オフセット印刷とは、版を利用する印刷方法のことです。
版とは、印刷用に作られたハンコのようなもので、各クリエイティブ専用のものを作って使用します。とはいえ、実際の工程はハンコとは少し違い、版からゴムブランケットに一度転写してから、紙に転移して印刷します。転写を英語で「オフ(OFF)」、紙への転移を「セット(SET)」と言うことから「オフセット印刷」と呼ばれています。

オフセット印刷の種類

オフセット印刷用の印刷機には、「枚葉印刷機」と「輪転印刷機」の2種類があります。
枚葉印刷機は、あらかじめカットされた紙に、1枚ずつ印刷していきます。紙のサイズや厚みが変わっても対応しやすい点がメリットです。
一方の輪転印刷機は、ロール(輪)状になった紙に連続して印刷していきます。そのため、枚葉印刷機よりも短時間で大量の印刷が可能です。

オンデマンド印刷とは


オンデマンド印刷とは、必要な分をすぐ印刷することに特化した印刷方法です。
オンデマンド印刷では、印刷データをデジタル印刷機で処理するため、版を作成する必要がありません。そのため、版の製作にかかる費用や期間を省いたうえで印刷ができる点が特徴的です。
従来は印刷というと大量ロットが当たり前でしたが、近年ではマーケティングが多様化したこともあり、小ロットでの需要が高まってきました。そのような需要に応える(On demand)ことから、オンデマンド印刷という名前が付けられました。

オンデマンド印刷の種類

オンデマンド印刷には「トナー方式(レーザー方式)」と「インクジェット方式」の2種類があります。
トナー方式は、トナーと呼ばれる粉状のインクを使う印刷方式です。トナーは紙に熱で圧着されるので、非常に短時間で乾燥します。そのため、乾かす時間がほとんど要らず、短時間で大量の印刷を実現できます。
インクジェット方式は、紙にインクを直接吹き付ける印刷方式です。インクジェット方式では細かい部分まで正確にインクを吹き付けられるので、色の再現度が高く、鮮やかな色彩を表現できます。

オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い

オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いは、印刷に「版」を使用するかどうかです。
オフセット印刷の場合、事前に版を作成する手間がかかりますが、その分、版ができてしまえば同じクリエイティブを大量に印刷できます。
その一方、オンデマンド印刷では版を使わないため、必要なときにスピーディに印刷ができます。しかし、大量に印刷する場合は、オフセット印刷より割高になる可能性があるので注意が必要です。
オフセット印刷とオンデマンド印刷には優劣があるわけではなく、ニーズによって適する印刷方法が異なります。そのため、以下に挙げるそれぞれのメリット・デメリットを踏まえ、目的に合った印刷方法を選ぶことが大切です。

オフセット印刷のメリット・デメリット

ここでは、オフセット印刷のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット①:大量印刷だと費用が抑えられる

オフセット印刷は、大量に印刷すると印刷費用を安く抑えられます。
一度版を作ってしまえば、後はそれを使って量産するだけなので、部数が増えれば増えるほど、1部あたりにかかるコストは安くなります。

メリット②:特色印刷に対応している

オフセット印刷は、CMYKのプロセスカラーに加え、特色の印刷も可能な点がメリットです。
特色とは、表現したい色に合わせて特別に調合したインクで、これを使うことによって、よりこだわりのあるクリエイティブ制作が可能となります。

デメリット①:納期が長くなりやすい

オフセット印刷は、印刷の前に版を制作する製版作業が必要なので、オンデマンド印刷に比べると、納期が長くなりやすい点がデメリットとして挙げられます。
そのため、オフセット印刷を利用する際は、余裕をもったスケジュールで依頼するようにしましょう。

デメリット②:少量印刷だと費用が割高になる

オフセット印刷は、製版作業に別途費用がかかるため、少量印刷だと費用が割高になる点がデメリットです。
そのため、少ない部数でたくさんの種類を印刷したい場合には不向きだといえるでしょう。

オンデマンド印刷のメリット・デメリット

ここでは、オンデマンド印刷のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット①:少量印刷だと費用が抑えられる

オンデマンド印刷は、少量印刷だと費用が抑えられる点がメリットです。
オンデマンド印刷では、オフセット印刷と違って版を作る必要がありません。そのため、製版作業にかかる費用をカットし、1部からなど小ロットでの印刷も安価に実現可能です。

メリット②:短納期で対応できる

オンデマンド印刷は、製版作業を省いて印刷に入れるので、短納期で対応できる点もメリットです。
早い場合は、発注から納品まで即日から数日で完了することもあるので、急ぎの案件の際には非常に重宝するでしょう。

メリット③:内容の一部変更に対応しやすい

オンデマンド印刷は、印刷物の内容を一部変更する際に対応しやすい点も大きなメリットです。
たとえば、ターゲティングに応じて異なるQRコードを付けたり、説明文を一部変更したりしたい場合、オフセット印刷だとそれぞれの版が必要となります。しかし、オンデマンド印刷なら、データを一部変更するだけで、それぞれに柔軟に対応ができます。

デメリット:大量印刷だと費用が割高になる

オンデマンド印刷は、大量印刷する場合は費用が割高になる点がデメリットです。
オンデマンド印刷では、版が不要な点でコストカットが図れますが、印刷1部にかかる費用自体はオフセット印刷より高いです。そのため、だいたい300部前後を印刷する場合、オンデマンド印刷の方がオフセット印刷より費用が高くなります。

オフセット印刷とオンデマンド印刷の使い分け目安

以上のメリット・デメリットを踏まえると、印刷物の特徴やニーズによって、オフセット印刷とオンデマンド印刷を使い分けることが重要だとわかります。
以下は、それぞれの使い分けの目安です。自社の場合どちらの印刷方法が適しているか検討したうえで、より効果的な印刷方法を選ぶようにしましょう。

オフセット印刷が向いている場合 ・大量の部数が必要 / 同じ内容を大量に印刷する / 色の表現にこだわりがある
オンデマンド印刷が向いている場合 ・少量だけ印刷する / なるべく早く印刷したい / 内容を一部変えて印刷したい

まとめ

今回は、オフセット印刷とオンデマンド印刷の特徴や違い、それぞれのメリット・デメリットなどについて、詳しく確認してきました。
オフセット印刷とオンデマンド印刷は、それぞれに向き不向きがあるので、自社で印刷予定のクリエイティブとの相性や、費用や納期などのニーズと照らし合わせて、適切な方を選びましょう。
弊社RenoBoxでは、ロゴやクリエイティブの制作サービスを承っております。デザインはもちろん、印刷方式についても貴社のご希望を踏まえ、適切なものをご提案いたします。
ロゴやクリエイティブの制作で何かお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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